社労士の皆さん、こんにちは!
わたしは97年に開業し、社労士がよくなれば中小企業がよくなる、中小企業がよくなれば日本がよくなる、との思いを理想に社労士の仕事に打ち込んできました。
誰も見向きもしなかった90年代、公的助成金は強力に顧客開拓ができると気づき、「SVC公的助成金普及促進会」を立ちあげ全国展開しました。数年で半端ない数の助成金申請代行業務をこなし、獲得金額も数億円規模となりました。
顧客も急激に増えましたが、助成金でご縁が出来たお客様は、助成金の受給獲得でそのご縁も終わるという現実に直面しました。
そして、時の政権の政策誘導で、次から次へと制度内容はめまぐるしく変わり、苦労して覚えたノウハウは数年で陳腐化していきました。
なにより、いくら助成金の獲得がうまくなったとしても、それは自らの社労士としての本質的専門能力が培われた結果の事業成長ではないということに気づきました。
この仕事に限界を感じて、本業に回帰しようと思い立ちました。
当時は経済環境が悪く、失業率が最悪で、企業内では労働トラブルが急増していました。いわゆる個別労働紛争といわれるもので、法律が出来て処理がされるまでになっていました。
当然、当事務所にも相談が多く寄せられました。困っている会社をお救いしようと、労務管理対策について徹底的に研究していきました。
たどり着いたのは、就業規則を防御としてガードを固めていくということでした。
『社長!会社を守るには就業規則を見直してください』という書籍を刊行するまでにこの業務も深堀しました。
たしかに紛争は起きにくくなりましたし、起きてもその後、会社側が処理を有利に展開できるようにはなりました。
しかし、それでその会社がよくなっているという実感がもてませんでした。
一緒に働いていた社員を仲間ではなく「問題」と認識する訳ですから、今、思えば当然といえる結果だったでしょう。
いわゆる3号業務といわれる人事コンサルティングに活路を見出そうとしたこともありました。
評価制度や賃金制度に重きをおいて、成果主義をベースに組織開発をしていこうとするものです。
結構な費用を投資して外資系コンサル会社の手法を学んだり、コラボしてコンサルティングを進めたりしました。
結果は、惨敗でした。
今、働いている社員、すなわち人に制度を合わすのではなく、制度に人を合わすアプローチが成功するためには、絶対に必要な条件があると気づきました。
それは会社と社員の信頼関係が成立していることです。
いつ労働紛争が発生してもおかしくないようなギスギスした職場や、ガチガチに管理を強化されている職場に成果主義の強い評価制度が入った場合、多くの社員から制度に対して不平不満の声が上がってきます。
信頼を寄せていない会社がやる評価制度に社員が納得する訳がないのですから当然です。
気がつくと、社労士としてのキャリアは10年が経っていました。
立ち止まり、深慮しました。
今のままでは、中小企業をよくする仕事は到底できない。
このまま社労士の仕事を続けていくのではなく、「社労士がよくなれば中小企業がよくなる」との思いで、起業したときの理想に立ち返ろうと決心しました。
労働紛争が決して起きない、健全な職場はどうしたらできるのだろう。
この問いかけに対する答えを求める日々が始まりました。
やりがい、働きがい、モチベーション、いい会社、社員満足・・・といったキーワードをもとにネット検索をしたり、街の本屋さんで「人事労務」だけでなく「経営」のコーナーに立ち寄る日々が続きました。
いい会社をつくるためには経営理念が重要なカギになるということはすぐに見えてきました。
そして、2008年3月半ば、運命の日を迎えます。
この日も書店に立ち寄りました。そこで、この世に生まれたばかりの『日本でいちばん大切にしたい会社』という名著に出会うことになりました。
その後、60万部のベストセラーになるとは知る由もありませんでしたが、本棚に1冊だけ挟み込まれていたこの本の背表紙の「大切にしたい会社」という言葉に一瞬でひきつけられました。
どんな会社だろう?
読み始めた途端から、ページをめくる手が止まらなくなり一気に読みました。
障がい者の社員が7割で好業績を上げている会社、
若者が働きたいと押し寄せている山奥の義足メーカー、シャッター商店街で大繁盛しているフルーツ店など、それまでに知りえていた会社とは明らかに違う中小企業が紹介されていました。
なかでも感動したのが伊那食品工業でした。
寒天という斜陽な食品素材であるにも関わらず、「会社に関わる誰もが『いい会社』だねと言ってくれるように行動しよう」と、経営理念を「いい会社をつくりましょう」と定め、全社員で誓い行動し続けた結果、48年間増収増益を続けているというのです。
しかも社員数を増やし続け、給料も上げ続けているというではないですか。
作者の坂本光司氏は、当時、法政大学大学院の経営学の教授でおられました。
企業経営の目的は業績を拡大していくことにあるのではなく、人の幸せを実現するためにあり、利益はそのための手段であるということを経営学者として説かれていたのです。
そして、今はまだ少数派であるけれども、そのことを長きにわたって立派に実現している会社がこの世に存在していることを、日本全国の中小企業を訪ね歩き、発掘しては知らしめていたのです。
30年以上、そうした頭の下がる活動を続けておられたのです。
その当時で視察企業数は実に6300社、その中でも指折りの人を大切にする会社5社を取り上げたのが、この本だったのです。
本当にこんな会社があるのだろうかと、好奇心が掻き立てられました。
調べてみると伊那食品工業をつくり上げた経営者の塚越寛さんも、ズバリ『いい会社をつくりましょう』というタイトルで、ご自身が築いてきた経営哲学を一冊の本として上梓されていました。
これも即購入して読破しました。
「人件費はコストでないから削減対象ではない」
「急成長をしないように用心」
「利益はウンチ」
「敵をつくらない経営」
「百年先を見据えて今日を考える」
など、それまでの中小企業経営で常識とされていた概念が、ことごとく壊される読了感をもったことを今も鮮明に覚えています。
同時に、勇気が湧きました。
中央アルプスの麓、東京ドーム2個分の敷地を有する同社の駐車場に着くと、2人の社員の方がエスコート役としてもてなしてくださいました。
もうその瞬間から、この会社が大切にしていることが感じられました。
社員さんの表情、ちょっとした仕草、つくりものでない笑顔、そして心から「ようこそいらっしゃいました」という気持ちがとても伝わってくるのです。
広い敷地内ですれ違うすべての社員から、同じオーラを感じました。
そんな社員が400人もいる訳ですから、会社の空気感が抜群によくなっていて、なんとも居心地の良い空間になっていました。
当時会長であった塚越寛さんとも感動の名刺交換をさせていただき、ご講話をお聴きしました。ご自身が提唱する年輪経営の深さを一語一語から感じ取ることができました。
これはホンモノだ、間違いないと確信いたしました。
この感動体験をした伊那からの帰路、わたしは心に決めました。
残された職業人生は、伊那食品工業のような「いい会社」をつくることを支援する社労士として使命をもち活動し、生きていく――。
自分にとっての人生理念、会社としての経営理念が明確に定まったのです。
そして、影響をうけた『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者、坂本光司教授に会いに行きました。
講演会に参加し、終了後に名刺交換をさせていただき、今の自分の思い、伊那へ行ったことなどを語りました。
すると、一度市ヶ谷にある法政大学院の研究室に訪ねてきてはどうかとお誘いいただきました。
お言葉に甘えて、とある土曜日の午前中に坂本先生の研究室を訪ねました。
「小林さんのやろうとしていることは正しい。問題は現象でなく本質を変えないと根本解決はしないから。」と、労働紛争の解決でなく、紛争が起きない職場づくりをする社労士になっていくことに力強く賛同していただきました。
「ただ、力をつけないと世の中にはねっ返されるよ。」とも助言をいただきました。
今の自分の心境を見抜かれているようでドキッとしました。
人を幸せにする「いい会社」づくりを社労士のミッションにしたものの、仕事の現場では、相変わらず労働トラブルの事案が舞い込んでいました。
それなりに時間がかかりながら、紛争処理は解決していきます。
そのプロセスで経営者も労働者も、そして社労士である自分自身も精神が擦り減り、疲弊していきます。
社労士は弁護士ではありませんから、感情抜きに紛争解決業務にあたることはできません。
そして、解決してもマイナスがゼロになるだけで達成感がありません。
なにより、去年も同じような労働トラブルを経験した会社で紛争が再発することが往々にしてあるのです。
社労士としての想いができた私は、経営者に対して、「社員にも問題はあるでしょう。けれどこれを繰り返すのは会社側にも問題がある。社員の立場からこれからの労務を考えてはどうか」と正論をぶつけていきました。
そのほうが絶対に、会社はよくなると信じているからです。
しかし、不快そうな表情を浮かべる経営者は少なくありませんでした。
中には顧問契約を解除してくる会社もありました。
まさしくはねっ返されている状態だったのです。
坂本先生自身、経営学者として、どんな経営学の本にも書いてある「企業経営の目的は利潤の極大化である」という説に真っ向から異論を唱え、そうではなく「人が幸せになることこそが会社づくりの要諦」と体を張ってこられてきた訳です。
関係者からは異端学者として扱われてきた体験があります。
それでも北海道から沖縄まで、「いい会社」があると聞けば、労を惜しまずベンチマークを重ね、こんな会社がある、ここにも頑張っている会社があると真実を伝え続けてこられたのです。
令和になった今でこそ、「人を大切にする経営」は市民権を得たといえるでしょうが、昭和の高度成長期に業績軸が主流の経営学会のなかで、幸せ軸の持論を展開し続けていかれたことは並大抵のことではなかったに違いありません。
しかし、現場を見ているから、事実を知っているから、真実がそこにあり、坂本先生の人を大切にする経営学は日の目を見ていくようになっていったのです。
気がつくと研究室に来てから2時間近くが経っていました。
力をつけるとは、「いい会社」の現場、実際を知り、自分の血肉として仕事に刷り込んでいくことだと悟りました。
そして、坂本先生は、「私のもとで学んだらどうだろう?」とおっしゃってくれました。
社会人修士として、大学院で学んで力をつけようというお誘いでした。
よもや40歳半ばを超えて、再び大学のキャンパスで学業生活を送るなどと、その日研究室を訪ねるときには思いもしてませんでした。けれども研究室を出る前には、入学願書を書き、坂本教授に師事して、自分の社労士としての理想を実現しようと志している自分がいました。
2009年4月、晴れて法政大学大学院政策創造研究科坂本ゼミ門下生となりました。
それから私自身、「いい会社」の視察を重ね、その数はまもなく800社を数えるまでになりました。
50社くらい視察をした頃でしょうか。
企業全体で見れば、人を大切にする人本経営を実現している会社は少数派であるものの、この経営のあり方が絶対であるという確信が心のうちから湧くようになりました。
自分の目で、耳で体感してきた経験に裏打ちされ、伝えていく説得力は格段に増してきていたようです。
もう、社員を大切にしようというこちらの呼びかけに応じないのなら、その会社の仕事がなくなったとしても、むしろ不本意な仕事をする時間が減るのだからそれでいい、と意に介さなくなりました。
出版してすぐに、大阪の会社の経営者から、「大変感動した」と連絡がありました。
その社長は直後に上京され面会。お会いしてほんの数十分で意気投合し、ぜひ指導してほしいとご依頼され、初の人本経営指導先となりました。
この会社は、ラッピングの包装資材の企画・制作・販売をしていました。
全国のケーキ屋さん、花屋さん、雑貨屋さんなど3万軒を超える小売店がお客様でした。
ここの商品を使うと売上が伸びるということで、お客様から絶大の信頼を得て、事業は対前年130%をキープする急成長をしていました。
しかし、社員の早期離職が止まらず、毎年の離職率が30%前後となっていて、社内では長時間労働が常態化し、それがまた離職者を生むという悪循環に陥っていました。
「このままでは業績はいいのに労務倒産しかねない」と社長は悩んでいたところ、たまたま書店で、出来たての拙書を手に取ってくださったのです。
顧客満足の前に社員の幸福度を高めていく会社づくりが持続可能性を高めるとの主張、そして、数々の実践方法について紹介されていたことに、社長は目から鱗が落ちた状態になったようです。
当時、社員は30数名でした。
全員に参加してもらい、毎月、「いい会社」についての勉強会を開催することを提案すると、すぐに応じてくださいました。
私が現地で学び、感動・感嘆した企業についての情報や、そこで働いている社員さんたちは日々どのような思いで仕事に取り組んでいるのかという実例、本の読み合わせ、DVD視聴や体験ワークなど様々なメニューを毎月用意して、学びの場をつくっていきました。
社長も本気度を示していました。
社員のみなさんへの研修開始と同時に、経営理念を「幸せ制作会社」と変えていきました。
社員が幸せになり、社会から必要とされる会社になることを目指すと宣言されたのです。
勉強会は、初回から手応えがありました。
日々、あまりに忙殺されていて気づくことのできなかった周りへの感謝や、自分一人が頑張っているのではなく貴重な仲間がいるという絆感を、一人ひとりの心に宿す時間になったようです。
研修や勉強会を実施するだけで「いい会社」がつくられていくわけではありません。
その時の気づきを、一人ひとりの社員が、実際の仕事の現場で行動に変えていってもらうことを繰り返し、手応えを感じていただくことが必要です。
そうした環境を整える施策を、社長は矢継ぎ早に実施していきました。
それが相乗効果となり、社員同士、取引先、そしてお客様との「関係の質」の向上が確実に図られて、結果が伴ってきました。
自らが変わったことでクライアントが変った
職業は社労士として変化はしていませんが、その目的、理念を「人の幸せを増大させる」ことに置き、山を登るように歩みを続けてきました。どうすれば、人が輝く「いい会社」になれるか、必死で学び、試行錯誤の連続でしたが、一つ一つ実務として形にしていきました。
前述したとおり、労働トラブルを起こしている会社にも、人を大切にする経営を説き始めました。「きれいごとをいうな」と去っていったお客様もいました。残念な思いもしましたが、一方で、当方のメッセージを受け止めてくださった心ある経営者は、共に経営の歩みを業績軸から幸せ軸へと組織風土の改革をしてくださいました。また、新規に出会い、共感してくださるお客様も徐々に増えていきました。
こうして、この15年間で弊社のクライアントは人本経営を本気で志している企業が圧倒的になりました。
人本経営に舵を切っているクライアント先の今
2009年のリーマンショックが襲った時に比べ、現在のクライアント先はコロナ禍にあっても泰然自若とし、この困難を社員一丸となってやり過ごしていこうとする姿勢をあきらかにとってくれていると感じています。
一変した見える景色
リーマンショック、コロナ禍といういずれも未曽有の出来事の体験ですが、見える景色が15年前のそれとは一変しました。
2020年、コロナ禍が襲い緊急事態宣言が発令されました。その最中、幸せ軸の人本経営に舵を切った経営者の皆さんから胸が熱くなるメールが届いたのです。
小林先生
本物かを試される時が来ました。
今回わが社は、一人の社員も絶対にリストラしません。
35名、内定者、全員取り消しももちろんしません。
「辞めさせる時は、会社がつぶれた時。その時は俺もリストラ。」と、朝礼で宣言しました。
必ずこの難局を全社員一丸となって切り抜けます。
もう私が何も言わなくても、社員たちが今何をすべきかを
各々がそれぞれ考え、行動してくれています。
「全社員の雇用、人生を守ること」
乗り越えた後、新しい価値観の未来を作ることを信じて、
私だけでなく、全社員が、「覚悟は出来ています!!」本日の役員会議にて5月6日までの店舗・海洋業務を休業することを決定いたしました。
もちろん、パートさんを含めた社員全員に100%の給与支給を行います。
雇用を守ると言葉を発しているので、派遣社員にも同じ考えでいるつもりです。
本当は、4月に育児で休んでいた社員が戻ってくるので6月末までと派遣会社には通知していたのですが、今やってしまうと次の当てのないまま放りだすことになるので、本人には次の仕事を探すことを条件に1ケ月ごとに更新する旨を伝えています。
人本経営を貫くことはしんどいなと感じる反面、この考えがなかったらどういう道を進んでいたのだろうかと怖くなります。
社長=社員代表
もちろん各社に、売上の減少といったコロナ禍による業績への影響は及びました。しかし、自分たちは何も悪いことをした訳ではないのですから、そのことで社員を犠牲にするということはありえないのです。人本経営を志している経営者は、自分が社員の代表者だと考えて行動しているのだということが伝わってきました。
そこで働いている社員ならば、この危機に放り出されずに、雇用を守ってほしいと誰もが願うことでしょう。
だから、社員代表である経営者自らが「誰もリストラしない」といの一番に宣言出来るのです。
ピンチに際して、幸せ軸がぶれないトップの思いに対して、社員たちは、一丸となって難局に向かっていきます。
コロナ禍が教えてくれた人本経営の確かさ、強さ
そうした経営者の本気の背中と心に触れた社員たちも、今こそ力を一つに合わせて乗り超えようと行動していきます。
ピンチをチャンスととらえて一枚岩になった組織は強いです。
いったん落ち込んだ業績は、各企業によって時間差はありますが、その後、Ⅴ字回復を遂げているのです。
これまでの人本経営の浸透度が進んでいればいるほど、コロナ禍による経営への打撃は深刻化せず、また立ち直りも早い傾向にあることが確認出来ました。
社労士として、人本経営の伝道を使命として活動をしてきた結果、150社の指導先では、パワハラはおろか労働紛争、労働トラブルの発生はほぼ皆無の実績となっています。
ほとんどすべてのクライアントが人本経営を本気で志していただけるようになり、このコロナ禍でも、たくましく、そして、やさしく乗り越えようとしている姿をみて、やはり人本経営は混迷する社会にあって絶対的な正解だという感を一層強くもつようになりました。
人本経営の実践で起きること
人本経営を実践していくと次のようなことが起きてきます。
そして、結果として、持続的な業績向上に結びつくということが確実になります。
人本経営を学び、実践していくということは、社員一人ひとりの「関係の質」を高めていき、社員一人ひとりの「結果の質」を最高のものにするという取り組みにほかなりません。
社員が一人ずつ、確実に成長という年輪を刻んでいくのですから、社員の数だけ企業体としては成長していくのです。
半年前、1年前と比べると明らかに違う、目覚ましい進歩を遂げていくことになります。
社労士ほど素晴らしい仕事はない
今、私の事務所には、「人本経営に出会えてよかった」、「先生のおかげです」という感謝の声がたくさん届くようになりました。社労士という仕事に就けて幸せだったと日々実感しています。
人を大切にする経営を世の企業や法人に真正面から指南できる立場に、私たち社労士はいます。
信じられないほどラッキーです。
しかし、経営人事、人事労務の職務領域は広く、手続き代行、労務相談、年金、助成金、賃金コンサル、評価コンサル、、、あまりに、たくさんの仕事があり、請け負うと途端に時間とのたたかいになっていきます。
わたし自身、起業後10年間はそうだったように、この人本経営の指南という仕事のすばらしさに気づけずにいる同志も多いのではないかと思います。
せっかく、いい職業に就いていても、「何のために」この仕事をしているか、明確に志をもって、少しずつでも前進しないと、アッいう間に職業人生は終わってしまいます。
人本経営に成功した企業の経営者の多くは、お世話になった業界全体をよくして、社会をよりよくしていこうと行動しています。
残された職業人生の時間は、もうそう多くはありませんが、わたしも、その学びを、今こそ実践していこうと思い立ちました。
熱意ある同業者が増えれば増えるほど、中小企業が元気になり、日本は輝いていくと信じてやみません。
そこで、ここまで学び、実践し、得てきた人本経営実践指導のノウハウを後継していただける社労士のために伝承する学び舎を創設することにいたしました。
それが「志伝塾」です。
人本社労士の会 「志伝塾」
わたし自身が、15年にわたって培ってきた人本経営を企業に定着浸透させていくノウハウを余すところなく開陳いたします。人を大切にする人本経営を指導・実践する後継者として研鑽に努めたいという社労士の方に門戸を開放します。
志伝塾は、2021年7月に立ち上がり、現在、全国各地から25名の有志が参集しています。
昨年、塾生となられた方々の体験談をご紹介します。
人本経営に関する“生きた“ノウハウが学べる貴重な場
心から社労士になってよかった!
心から社労士になってよかった!
大きな差がでるのではないかと感じています。
東京都杉並区 杉山社会保険労務士事務所 杉山貴仁 さん
毎回たくさんの学びがあり、感動の連続があります!
北海道札幌市 ベンチャーパートナーズ社会保険労務士法人 山本祐一郎 さん
毎回たくさんの学びがあり、感動の連続があります!
北海道札幌市 ベンチャーパートナーズ社会保険労務士法人 山本祐一郎 さん
今後の社労士人生は「人本経営」をど真ん中に据えて活動していきたい。
富山県南砺市 中島社会保険労務士事務所 中島武司 さん
これでもか!資料もすぐ使えるものを提供してくれるので驚きました。
神奈川県川崎市 葉月社会保険労務士事務所 甲谷博子 さん
これでもか!資料もすぐ使えるものを提供してくれるので驚きました。
神奈川県川崎市 葉月社会保険労務士事務所 甲谷博子 さん
人本社労士の会、処女作 完成
志伝塾を立ち上げて1年、成果物として人本社労士の会メンバーとコラボして書籍「パワハラがない会社のつくり方~パワハラ根絶を実現する究極の経営人事マネジメント「人本経営」実践のすすめ」(アニモ社)を刊行しました。
こんな感想が届きます。
★★★★★
小林秀司さん著の「パワハラがない職場のつくり方」を横浜駅ルミネの有隣堂で見つけたので買いました。
まず、「はじめに」を読んで感動し、読み進めています。
50ページまでは、パワハラの定義、具体例、防止体制が簡潔に示されています。
すべての経営者、人事担当者、管理職が知っておくべき基礎知識です。
わかりやすい!
そして本編の「人本経営」 に入ります。
この時代は業績軸の経営では行き詰るという現実が数値、グラフで示され、目をそらすことができません。
どうすればよいか?
人本経営の先駆的企業・伊那食品工業へ筆者が10回視察を重ねて得た、実利のある考え方がここにまとめられています。
まだ読んでいる途中ですが、どんどんひきこまれます。
感動した箇所をいくつか引用しようと思ったのですが、ネタバレになるのでやめました。(笑)
ぜひ、お買い求めになって読むことをおすすめします!
人的資本経営と人本経営の違い
これを際立たせることが人本社労士の価値
岸田首相の肝いり政策である「新しい資本主義実現会議」を立ち上げ、人的資本への投資の強化を打ち出し、企業にその情報開示を義務づけるとしています。首相が「人本主義」「人を大切にする経営」と口にする時代になってきたとは隔世の感があります。
私たち人本社労士の会は人本経営は業績軸から幸せ軸へのパラダイムシフトの重要性を社会へ投げかけてきました。
政府の「人的資本経営」は、金融資本主義偏重から人的資本主義重視へというメッセージ性を強く感じます。
人を大切にする人本経営の重要性を訴えてきた立場としては、ようやく社会が追いついてきたかという感覚です。
しかし留意が必要です。「人的資本経営」と人本経営は似て非なるものだからです。
人材を資本と位置づける「人的資本経営」に対し、人本経営はヒトが本位、中心、センターだととらえます。
「人的資本経営」は投資誘発を目的としたファイナンスの問題であるのに対して、人本経営は全てのステークホルダーの幸せ増大を目的とする永続する経営のあり方です。
人的資本経営に潜む陥穽
政財界が「人的資本」に刮目し始めたので、目ざといシンクタンクやコンサルティング会社は、人を大切にする理念経営のことをパーパス経営と置き換えてみるなど、次々に人的資本に関する経営革新の手法やメソッドをいかにも真新くみせた商品開発し提供し始めています。
それが幸せ軸へ向かうのならOKとしましょう。
しかし、〇〇戦略とか〇〇ストラテジーとか言っている段階で業績軸なのです。
なぜかといえば人本経営は敵をつくらないので戦わないからです。
巧みなコンサルタントの口車に乗せられて変な制度や仕組みを導入し、ステークホルダーと戦いが起きるようになっては、結局、みんながハッピーになり、企業が永続していくような「いい会社」へとよく変わることが出来ない陥穽が潜んでいるのです。
人本社労士の出番、到来
社労士ならば、今こそ人を大切にする人本経営を学んで、ぜひともリードオフしてほしい。
われわれが力をつけていくことで、企業が、社会が、日本が元気になっていくはずです。
クライアント先や見込み客先で、「人的資本経営」についての経営革新テーマが課題や議題になってくることは確実です。そのとき、目的を全てのステークホルダーを幸せに導く福徳円満の実現におくよう意見具申をして、人本経営を実践して「人的資本」の情報開示をしてこそ本当の価値があると導いてあげましょう。
組織風土を業績軸から幸せ軸へと変革するチャレンジの機会としてとらえ、人を大切にする人本経営を根付かせる方向へ、働きかけを行える千載一遇の機会が到来しています。
人本社労士「志伝塾 第2期生」入塾生募集
人本経営の指導ができるノウハウを研鑽していきたいと熱意のある社労士の方へ
人本経営とその指導法の理解促進とノウハウを完全伝授する「志伝塾 第2期生」の募集をいたします。
2022年7月より入塾を希望する社労士を募ります。
塾は少数で濃厚指導をしていきます。募集枠は先着10名です。
事務所所在地がどこにあっても入塾は可能ですが、特にまだ存在していない地区、都道府県からの参加表明は大歓迎します。
人本経営についての早わかり、その実践指導のためにどのようなノウハウが必要か、そして志伝塾のカリキュラム全容等について、ご理解いただくためのオンラインセミナーを以下の日程で開催していきます。
真摯に学び、これから人本社労士として活躍していきたい方は、まずこのオープニングセミナーにご参加いただければと存じます。
あなたのご来場をお待ちしております。
株式会社シェアードバリュー・コーポレーション代表取締役。1960年生まれ。
社労士として、元気な社員でいっぱいの「いい会社」をつくりたい経営者・リーダーのための水先案内を中核的事業として展開。
〇全国「いい会社」視察・・・800回(2022.5月現在)
〇人本経営直接指導・・・155社(2021.4月現在)
〇著書・・・『元気な社員がいる会社のつくり方』(アチーブメント出版) 『人本経営(じんぽんけいえい)』(ナナブックス) 『パワハラがない職場のつくり方』(アニモ出版)
〇行政、経営者団体などでの関連の講演 実績多数
〇指導先実積・・・NTTドコモ リクルート JA 明治乳業(明乳会) LG化学 中小企業多数
〇主な仕事
<勉強会の主催>
人本経営実践講座
(実積/東京9期・大阪8期・四国3期・島根2期・単独企業開催1社・オンライン)
企業内研修講師
(社風をよくする研修、次世代支援型リーダー養成など)
人本社労士の会 主宰
<顧問指導>
顧問形式で人本経営の実践指導
<視察会の開催>
いい会社ベンチマーク視察ツアーの企画(全国各地で実施)
<幸福度調査>
社員意識調査により現状の社員の幸福度をリサーチ、課題と解決策提示
〇公職など
内閣府 地域活性化伝道師
四国でいちばん大切にしたい会社大賞審査委員長 歴任
厚生労働省 障がい者雇用優良企業認証事業委員長 歴任
富山県社労士会必修研修講師
小林秀司の
人本経営指導ノウハウ開陳
後継社労士養成のための「志伝塾」
25年間の社労士の活動で得たこと
人本経営とは~その魅力と実践指導の要点
人の専門家、社労士が人本経営を極めることの意味
人本経営指導事例の紹介(成功事例・失敗事例)
人本社労士の仕事と心得
改正パワハラ防止法と人本経営
人的資本経営と人本経営
人本経営実践講座プチ講義
第2期志伝塾の全容説明と質疑
Zoomでのオンラインセミナーです
参加費 3,000円(税込)
6月14日(火)14:00~16:00 終了しました。 |
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6月22日(水)14:00~16:00 終了しました。 |
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6月27日(月)14:00~16:00 終了しました。 |
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6月30日(木)14:00~16:00 終了しました。 |
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7月6日(水)14:00~16:00 |
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7月12日(火)14:00~16:00 追加開催 |
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6月22日(水)14:00~16:00 終了しました。 |